道徳の授業:
善悪の判断・自律・自由と責任

分類:A1 B1

「やわらかい心」を育てる

 日本人は「察し」という文化的な独自性を持っているのだと説いたのは、評論家の会田雄次氏(1916~1997)です(参考=『日本人の意識構造』講談社)です。

 「察し」の「察」には、「よくみる、しらべる、おしはかる」のほかに、「思いやる、同情する」という意味があります。相手の立場を察する心は、相手の立場に立ったり、考えたり、視点を変えたりする「思いやり」の基本的な力になるのです。

 いろいろな立場で物事を考えられないのは、心が老化し、柔軟に考える力が弱まって、心が固くなっているからではないでしょうか。固い心からは、相手や周囲を思いやるゆとりは生まれません。

 一方、立場を変えてみると視野は広がります。また、公平な第三者の立場に立つことは自己の高まり、あるいは心の深まりにもつながっていくことでしょう。

 固い心をほぐし、「やわらかい心」を育てたいものです。

『ニューモラル』378号『366日』11月29日

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