手紙の魅力や書き方について多くの著作があるエッセイストの清川妙さんは、次のように述べています。
「気働きというのは、相手の状態、心理をよくわかった上で、その人の側にまわりこんで考え、行動すること。やさしさの片鱗がチラとこぼれ落ちるとき、相手はそれにうたれるのです」(『今日から自分磨き』清流出版)
家庭や学校、職場、地域社会などの人間関係の中に心と心が通い合う豊かなコミュニケーションが生まれるとき、喜びの多い人生が開かれていきます。メールも手紙もコミュニケーション手段の一つですが、単なる道具(ツール)としてとらえるのではなく、件名や宛名書き一つにも、相手への思いやりの心を込めて認めることを心がけたいものです。その積み重ねが、自分自身の心を育てていくことでしょう。
『ニューモラル』469号,『366日』7月23日