人間関係における不和や対立は、初めは些細な出来事から生じることが多いものです。第三者から見ればささいなこと、たわいないことと思えるのですが、当人はその「些細な出来事」によって乱された自分自身の心が不和の原因をつくり出していることに、なかなか気づかないのです。
「忙しい」という字は、「心」が「亡くなる」と書きます。忙しさの中で心のゆとりが失われると、私たちはつい、周囲の人々への配慮を欠いた自己中心的な言動をとってしまいがちです。こうした「心の乱れ」が、人間関係にも波紋を広げていくのではないでしょうか。
忙しいときこそ自分の心を静かに見つめ直し、落ち着いて状況を判断し、相手のことを思いやる優しさを忘れないようにしたいものです。
『ニューモラル』430号,『366日』1月25日