分類:A3
慌しい日常生活の中では“自分さえよければ……”“私が先でなければ……”という、自分優先の気持ちになりがちです。しかし、周囲の人々と互いに心地よく暮らしていくためには、自分の欲求を「腹八分」に抑え、「二分のゆとり」を他に向ける暮らしを心がけたいものです。例えば、後から来る人のために入口のドアを開けて待っておく。これは先を急ぐ気持ちを少し抑え、そこで生まれた「時間のゆとり」を他に譲る提案です。あるいは、お財布のひもを少しだけしぼり、そこで生まれた「お金のゆとり」を親孝行や地域社会のために使ってみるのもよいでしょう。
目に見えなくても、私たちの何気ない日常の裏には多くの人々の支えがあるものです。“他のおかげで生かされている”という自覚から感謝の心が芽生えたとき、周囲に温かい思いを向ける「心のゆとり」が生まれるのではないでしょうか。
『ニューモラル』476号,『366日』1月6日