生じてしまった事態は、再び元に戻すことはできません。問題が生じたときは、そうした自覚に立ち、未来に向けて積極的に事態の改善に取り組むことが大切です。
これは、自分の過失によって生じた問題であれば、素直に自分の非を認め、深く反省して責任ある態度を取るということです。また、たとえ自分に非のない場合でも当事者を責めることなく、これを機に、日ごろの自分を見つめ直してみるのです。そうするうちに相手と心が通い合い、力を合わせて、解決と成長への確かな一歩を踏み出せるでしょう。
そうした謙虚さは、物事が順調に進んでいるときにこそ必要な姿勢でもあります。その心づかいの積み重ねによって、自分自身の人間性や創造力、粘り強く努力する力が高まり、周囲とも円滑な人間関係を築いていけるのではないでしょうか。
『ニューモラル』507号,『366日』8月27日