道徳の授業:節度・節制

分類:A3

自分の心づかいを改める

 『論語』の中に、「意なく、必なく、固なく、我なし」という言葉があります。

 「意」とは、自分の主観だけで判断すること。「必」とは、自分の考えを無理に押し通すこと。「固」とは、一つの判断に固執すること。そして「我」とは、自分の立場や都合だけを考えること。この言葉は、孔子の人格を端的に述べたものです。

 孔子には自分勝手な考え、無理押し、頑固さや、自分本位の意見や主義がなかったといわれています。言い換えれば、広い視野に立って客観的に物事を判断し、他人の意見に十分に耳を傾け、すべてのことを広い心で柔軟に対応し、相手の立場を思いやって行動できる人間であったということです。

 人は皆、それぞれの考え方を持っています。その「自分らしさ」を持ちつつも、この言葉を「他を顧みない自分本位の心づかい」の戒めとしたいものです。

『ニューモラル』558号,『366日』3月9日

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