江戸時代の儒学者・佐藤一斎(1772~1859)は、「少くして学べば、則ち壮にして為す有り。壮にして学べば、則ち老ゆとも衰えず。老いて学べば、則ち死すとも朽ちず」(『言志晩録』)と言っています。
若いときに学べば、壮年期を迎えたときに効果が出てくる。壮年期から学んでも遅くはなく、老年期の活力となる。そして老年期から学ぶことにも大きな価値があり、後世の人に大きな影響を与えることもできる――。
世の中は今、めまぐるしく変化しています。私たちの体の細胞が、毎日の食事から得る栄養によっていつも新陳代謝して新しくなっているように、若い世代からも学びつつ、常に新しい知識を得て新陳代謝していくことは、私たちがいつまでも若々しく柔軟な心を保つための秘訣といえるかもしれません。
『ニューモラル』296号,『366日』7月2日