私たちは、どうして人を比較してしまうのでしょうか。
人間は一人ひとり、顔も性格も違い、得意なことも苦手なことも違い、好きなことも嫌いなことも違うはずです。
比較するということは、そうした一人ひとりを、偏差値とか、運動能力とかという一点だけに絞り込んで上下をつける(評価する)ということでしょう。
しかし、それはほんの一側面にすぎないことを知らなければなりません。
走るのが遅くてもすてきな絵を描く子、算数の成績が悪くても人を感動させる詩を書く子もいるのです。
そうしたとき、「かけっこは遅かったけど、こんなにすてきな絵が描けるじゃないか」と、その子のすばらしい部分をきちんと認めることが大切でしょう。
『ニューモラル』447号