分類:A5
会社員のKさん(28歳)は高校三年生のころ、大学入試の直前に事故に遭い、入院したため、その年の受験はできませんでした。しかし「この経験をばねにして伸び上がろう」と心機一転、努力の末、翌年は志望校に入学。大学卒業の際の就職活動にも、“同級生より遅れて社会に出るのだから”という思いで一生懸命に取り組んだといいます。そして今、晴れて結婚式を迎えたKさんは、「事故がなければ今の会社に就職したかどうかも分からないし、妻との出会いもなかったかもしれない。けがをしたからこそ、今の自分がある」と振り返ります。
長い人生、時には予期せぬ困難に直面するものです。ひとたび生じてしまった事態は元に戻せませんが、自分自身の心の持ち方一つで、その経験も「人生の土台」という、意義あるものに変えることができるのではないでしょうか。
『ニューモラル』517号,『366日』1月30日