親は、子供の持っている性格や気質の欠点に目がいくものです。時には、子供の欠点が自分の欠点そのものであることに気づいて、呆然とすることがあります。自分の子を前にして、いつも自分と対面しているのが親のつらさともいえます。そのとき親が“この子の、この欠点がなければよかったのに”と思ったなら、それはある意味で、子供の全部を受け入れていないことになるでしょう。
しかし、どの子も皆、“そのままの自分を見てほしい、愛してほしい”と思っているはずです。子供の長所短所もすべてをまるごと受けとめ、優しく包み込む。そして親子の気持ちが響き合うようにしていくことが大切ではないでしょうか。そのためには、まず親自身が自分のありのままの姿を認め、自分自身の長所も短所も、そのまま受け入れる必要があるのです。
『ニューモラル』302号,『366日』12月29日