「富士山をイメージして、その形を絵に描いてください」。こう言われたら、皆さんはどんな絵を描くでしょうか。新幹線の車窓から見えるような富士山を描く人、その山頂に浮かぶ雲まで描き添える人……。中には、真上から見下ろした山の形をイメージして「◎(二重丸)」を描く人もいるかもしれません。
対象となる富士山自体の形は変わりません。ところが横から眺めるのか、上空から見下ろすのか等々、観察者の視点がどこに置かれるかによって、その見え方やとらえ方はまったく異なってくるのです。
このことを私たちの日常に置き換えて考えるとどうでしょうか。人は自分中心に物事を考える傾向があります。しかし、それを相手や第三者の立場からの見方に変えてみると、自分の視野が広がって、新たな発見があるかもしれません。
『ニューモラル』424号,『366日』5月1日