道徳の授業:真理の探究・創造

分類:A6 C3 D4

大事故の前には中小の事故がある

 二十世紀の半ば、米国の損害保険会社に勤務していたハインリッヒは、労働災害の発生状況を調べた際、ある法則を発見しました。それは、人命に関わるような重大事故一件の背後には、二十九件の中規模事故があり、さらにその背後には三百件の小規模事故、あるいは「ヒヤリ」または「ハッ」とした未然事故があるということです。これは後に「ハインリッヒの法則」と呼ばれるようになりました。

 職場で起こる不祥事もこれに基づいて考えると、その背後には数多くの「好ましくない小さな行為」があるということでしょう。例えば落ちているゴミを拾わない、備品を持ち帰るなど……。こんな「ちょっとしたこと」でも、それを放置していくと、心の油断がやがて不祥事を招いていくのではないでしょうか。日々、小さなことでも疎かにしない心の姿勢を持ちたいものです。

『ニューモラル』443号,『366日』9月19日

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