親は、よい家庭を築き、子供がよく育ってくれるようにと願うものです。そのために、子供がなんでも話せるような家庭の雰囲気をつくり、同時に、よい習慣やきちんとした倫理観を育んでいこうと努力するのでしょう。目標として思い描く家庭像・家族像に向けて精いっぱいの努力を惜しまないのが「親の心」です。
ところが、親の「こうあってほしい」「こうありたい」という願いは、知らず知らずのうちに「~でなければならない」という、子供への押しつけになりやすいものです。すると親の期待どおりにならない子は「悪い子」「だめな子」になってしまいます。
親として子育ての目標を描き、それに向かって努力するのは尊いことです。しかし、たとえ目標がすばらしいものであっても、それを実現していくためには子供への「思いやり」が必要なのです。
『ニューモラル』439号,『366日』10月31日