分類:B1
永平寺の開祖・道元禅師(1200~1253)は「自分が幸せになりたいと思うなら、他人を幸せにすることである」と説き、そのために四つの方法を示しています。
一つ目は「布施」。相手を喜ばせるため、自分の持つ物や知識を提供することです。
二つ目は「愛語」。相手に温かく優しい言葉をかけることです。
三つ目は「利行」。多くの人の利益となるような行為をし、喜んでもらうことです。
四つ目は「同事」。これは相手と協同で作業することです。(『正法眼蔵』四摂法)
これらは何も難しいことでなく、電車の中でお年寄りに席を譲る、道を尋ねられたら親切に答える、周りの人々に明るい挨拶をするなど、社会で暮らすに当たっての基本的なモラルとして実現していけることではないでしょうか。一人ひとりの小さな親切や善行が広がっていけば、温かく住みやすい社会が実現するはずです。
『ニューモラル』449号,『366日』2月15日