中国の思想家・孔子は、弟子の子貢から次のような質問を受けました。
「たった一言で言い表せて、しかもそれを一生涯行っていけるような言葉があるでしょうか」
それに対して、孔子はこう答えたといいます。
「それは恕(思いやり)であろうか。思いやりというのは、自分が他人からそうしてほしくないと思うことを、人にもしてはいけないということである」(『論語』衛霊公篇)
毎日をどのような心づかいで生きていくか。その一日一日の積み重ねが、私たちの人間性をつくり上げていきます。よい心づかいの積み重ねが、よい人柄を生むのです。心のアンテナの感度を少し上げて、一つの思い、一つの行いの中に、慈愛に満ちた思いやりの心を、しっかりとはたらかせるように努めたいものです。
『ニューモラル』461号,『366日』7月8日