私たちは、互いに助け合い、支え合っていることを「お互いさま」という言葉で表現します。自分がお世話になっていることや、他人に奉仕することの大切さを自覚していたから、こうした丁寧な言い方をするようになったのでしょう。
また、周りにいる人だけでなく、すでに亡くなった人々や自然に対しても感謝の気持ちを表すために「おかげさま」と言います。「陰」とは陽の当たらないところであり、目立たない、隠れているという意味です。直接自分の目で見たり、触れたりすることはできないけれど、生活を陰で支えてくれるものに対して「お陰」と言うのです。
「お互いさま」や「おかげさま」は、謙虚さや反省の心を引き出してくれる、大切な言葉です。毎日の生活の中でも、多くの人々に支えられていることに感謝し、折に触れてこれらの美しい言葉を思い起こしてみませんか。
『ニューモラル』464号,『366日』8月28日