分類:B2
仏教の教えに「知恩」「感恩」「報恩」という言葉があります。これは、自分自身が数限りない恩を受けているという事実を知り、それらの恩に感謝して、恩に報いることの大切さを説くものです。
自分を支えてくれる身近な人々や、自分の生活を支える社会とのつながりを認識し、一人ひとりがその一員としての務めを果たしていくことで、私たちの社会生活は保たれ、将来にわたって発展していきます。そして「先人たちの苦労や努力の上に、今がある」という点に思いを致し、〝次の世代が幸せに暮らせるように〟と願って今を築いてくれた先人たちの思いを受け継いで、子孫の世代が自分たち以上に幸せな暮らしができるよう、社会の維持・発展に努めていくことは、先人の恩恵に報いる方法の一つといえるのではないでしょうか。
『ニューモラル』506号,『366日』4月29日