私たちの日常を振り返ってみると、電車やバスの車内で、他人に座席を譲ること。
狭い道を通り抜けるときに「お先にどうぞ」と譲ることなど、いろいろな場面に「譲ったり、譲られたり」というやり取りがあります。
「譲る」とは「自分は退いて、他人に有利になるように取りはからうこと」と説明できますが、多くの人たちの複雑な関わり合いによって成り立つ社会では、それは必ずしも「他人を優先させて、自分は損をすること」とは言いきれません。
また「自分だけは得をするように」と思って行動したところで、必ずしもうまくいくものでもないでしょう。
一歩引いて譲ったことが、めぐりめぐって自分自身にも利益を与えてくれる事態もあり得るのです。