「働くってのはね、はたをらくにしてやることさ」(山本有三著『路傍の石』)――この言葉に見るように、働くとは周囲の人々を喜ばせ、人々を支え、社会の役に立つことです。
私たち自身の生活も、他の人々の働きにより支えられています。私たちは働くことで互いに支え、支えられているのです。さらに突き詰めると、働くことには社会の恩に報いるという意味もあるでしょう。自分の働きが他人や社会の役に立っていると感じ、社会の恩に対する感謝の心を持ったとき、私たちはより深い充実感を得ます。
また、私たちがそのことを実感するのは、感謝の言葉をかけられたときではないでしょうか。私たち自身も日々、周りの人に対して「いつもありがとう」「ごくろうさま」という感謝やねぎらいを多く伝えていきたいものです。そうすることで、皆が生き生きと働ける、明るく潤いある社会が築かれていくのではないでしょうか。
『ニューモラル』426号,『366日』9月24日