ゴミの不法投棄やタクシー代わりの救急車の利用、図書館の本の切り抜きや書き込みなど、公共モラルの衰退がさまざまな形で指摘されることがあります。こうした問題の背景には、公共の利益よりもまず自分の利益を優先する意識や、共有物だから自分も自由に使う権利があるという、身勝手な論理があるのではないでしょうか。
もし、多くの人がこうした考えを持ったなら、とうてい社会を維持していくことはできません。公共のモラルや規範意識が社会を支えているからです。今、社会全体に公共心を取り戻し、一人ひとりが社会を支えていく意識を持つ必要があります。
地域の問題に直面したとき、まずは自分にできることから始めてみましょう。近所の清掃活動など、小さなことでも構いません。そうした小さな一歩の積み重ねが、公共のモラルを高め、地域を変えていくことにつながるのです。
『ニューモラル』478号,『366日』8月8日