分類:C4
5歳になった孝君は、川面が真っ赤な夕焼け雲を映しているのを、橋の中央に立ってじっと見つめていました。
しばらくすると、何を思ったのか、遠くに走り去ったかと思うと、持てる限りのいっぱいの石ころを拾って戻ってきました。
そして橋の欄干の上に石ころを一つひとつ並べ始めたのです。
彼はいったいどういうつもりで、そんなことをしているのでしょう。
それは、燃えるように美しく輝いているあの夕焼けを、道のすみっこに転がっている石ころにも見せてやりたかったのです。
子どもは自分の感性で素直な表現をします。
「美しいものを美しいと感じる力」「優しい気持ち」は、私たちにもあるものです。
その生かし方を子どもが教えてくれています。