分類:C5
暮らしの中では、よいと分かっていることでも行動に移すのをためらってしまうという場面が往々にしてあります。
そこにある心の動きを、心理学では「傍観者効果」という言葉で説明します。※。
これはアメリカの社会心理学者、ラタネとダーリーの実験によって明らかにされた集団心理の一つで、一人でいるときはためらわずに人助けをできても、周囲に人がいると、自分から進んで行動を起こさない「傍観者」となってしまう可能性があるというのです。
職場の共有スペースが散らかっていても〝誰かが片付けるだろう〟と考えてそのままにしたり、座席の埋まったバスや電車にお年寄りが乗ってきても〝誰かが席を譲るだろう〟と思って席を立たなかったり……。
そうした身近な場面の一つ一つで積極的に行動を起こし、「傍観者」の心理を打ち払う勇気を培っていきましょう。
『ニューモラル』501号,『366日』10月11日
※『新装版冷淡な傍観者』ブレーン出版