道徳の授業:
伝統や文化の尊重・国や郷土を愛する態度

分類:C6 D1

「物」を大切に

 「米という字を分解すると、八十八になる。それは、農家の人が八十八回手をかけなければ、米が育たないからだ」――そう言って、弁当箱のふたについたご飯粒を一つずつつまんで食べ、子供はご飯粒を一つでも残すと両親や祖父母から叱られた。これは、かつての日本では、どこの家庭にもあった光景ではないでしょうか。

 食べ物に限らず、物を大切にするのはごく当たり前のことでした。先人たちは、しっかりした造りの住宅や家具などを大切に使い、補修を繰り返して次の世代へと引き継いできたのです。現代の豊かさの中でも、裁縫道具やひな飾りなどは新しい物を求めるばかりでなく、世代を継いで古い物を大切に使っている家庭もあるでしょう。

 飽食の時代、使い捨てが当たり前になった時代だからこそ、そうしたことの意味に今一度目を向けていきたいものです。


『ニューモラル』408号
『366日』11月19日

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