「敬老の日」は、兵庫県野間谷村(当時)で提唱された「としよりの日」が始まりとされます。「お年寄りを大切にし、お年寄りの知恵を借りて村づくりをしよう」という趣旨で、農閑期で気候もよい九月十五日を「としよりの日」とし、昭和二十二年に敬老会を開いたのが始まりのようです。
やがて県全体で行われるようになり、全国へと広まりました。そして昭和四十一年、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」という趣旨で、「敬老の日」が国民の祝日として定められたのです※。
最近は、学校の授業の一環として近隣のお年寄りの体験談を聞いたり、伝統芸能等を直接教わったりという取り組みも増えているようです。高齢者の知識と経験は若い世代にとっての宝です。これを積極的に生かし、よりよい社会づくりに貢献していくことは、お年寄りの「生きがい」にもつながるのではないでしょうか。
『ニューモラル』421号,『366日』9月15日
※ 現在は9月の第三月曜日