長い歴史を経て、私たちの家庭生活の中に根づいてきた風習や儀礼などの年中行事をよく見つめ直してみると、それらの多くには「親と子の絆を深める」「自然とのつながりに気づき、感謝する」「地域とのつながりを大切にする」など、先人たちのよき生き方や考え方が表れています。
文化とは、先人が後世に遺した目には見えない「心の遺産」です。今を生きる大人が、こうした「心の遺産」を忘れてしまっては、子供たちの心の成長にさまざまな影響を与えるのではないでしょうか。
親の生き方は、日々の家庭生活の中で、知らず知らずのうちに継承されていきます。それが家庭の文化といわれるものでしょう。
子供の心の成長にとって大切な家庭環境をよりよくしていくためにも、まずは身近にあるよき伝統に目を向けて、先人たちの心を汲みとっていきませんか。
『ニューモラル』398号,『366日』8月1日