分類:C7
以前、アメリカとメキシコへ観光旅行に出かけた田中さん夫妻の体験です。
メキシコでの観光を終えてアメリカへ入国しようとしたとき、入国審査を待つ人々で長蛇の列ができていました。前方を見ると、入国する人は係官からあれこれと質問を受けているようです。片言の英語しか話せない田中さんは不安になってきました。
田中さん夫妻の番になりました。不安な気持ちのままパスポートを差し出すと、係官は「ジャパニーズ?」と言ったきり、それ以上何も質問をせず、簡単な荷物検査だけで通してくれました。「イエス」と言っただけの田中さんは拍子抜けしましたが、このとき、自分たちが日本人として国際的に信用されていることを感じたのです。
ふだんの生活の中では、自分が国の保護下にあることをあまり意識しないでしょう。しかし、こうしたときに、その恩恵が実感できるのではないでしょうか。
『ニューモラル』425号,『366日』1月27日