道徳の授業:
国際理解・国際親善・国際貢献

分類:C7

国があることの幸せ

 麗澤大学で教鞭を執る竹原茂さん(旧名=ウドム・ラタナヴォン)は、祖国ラオスの革命により亡命を余儀なくされた後、難民として数々の苦難を味わい、悩んだ末に日本国籍を取得しました。竹原さんは言います。「国家が崩壊すると、国籍もなくなり、住むべき場所も失います。国籍がないということは、戸籍登録さえ受け付けてもらえないということを意味するのです。渡航証明書をもらって外国で生活をしていても、国の信用が落ちているので、その国の国民というだけで信頼してくれず、就職するときにも条件が不利になってしまいます。(中略)祖国を失ってみて、私は国家の恩恵をいっそう強く感じるようになりました」(『ラオス・日本、アジアに生きる』麗澤大学出版会)。

 私たちはふだん、国の存在をさほど意識せずに生活していますが、竹原さんの言葉は「自分の国があることの幸せ」を教えてくれるのではないでしょうか。


『ニューモラル』425号
『366日』4月28日

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