道徳の授業:生命の尊さ

分類:D1 C4

誕生の日は母苦難の日

 薬師寺の管主を務めた高田好胤師(1924~1998)は、著書『母・父母恩重経を語る』の中で、次のような歌を紹介しています。

 「諸人よ 思い知れかし 己が身の 誕生の日は 母苦難の日」(詠み人知らず)

 医療技術が発達した今日においても、いのちを継承するための出産という営みには常に大きなリスクを伴うことは、変わりがありません。私たちが生まれた日は、母親が大変な苦労をした日であり、自分の命と引きかえにする覚悟をもって出産に臨んでくれたことを、あらためて見つめなおしたいものです。

 親としては、子が成長するにつれて自我が芽生え、親子の間に衝突が起こるようになったときこそ、原点に返って、生命誕生の神秘や親と子のつながりを問い直してみてはいかがでしょうか。誕生日は、そのための絶好の機会といえます。


『ニューモラル』404号
『366日』9月3日

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