昔から「子は宝」といいますが、子育てには苦労だけでなく、それに勝る喜びがあったはずです。そうした中で一人ひとりが大切に育てられ、親から子へ、子から孫へと代々「いのち」が伝えられてきたからこそ、今の私たちがあるのでしょう。
また、そこでは「いのち」と共に、生きていくための知恵、言葉、生活習慣、道徳や価値観、そして家庭に伝わる料理といったものも、前の世代から次の世代へと伝えられてきました。いつの時代も、家族は「いのち」と文化を受け継ぎ、それを次の時代に伝える役割を果たしてきたのです。
私たち一人ひとりは、こうした「いのちのバトン」を受け継いできた、大切な存在です。そして、そのバトンを次の世代に引き継いでいくという重要な使命を帯びているのではないでしょうか。
『ニューモラル』敬老特別号(平成23年)、『366日』1月13日