道徳の授業:感動・畏敬の念

分類:D3 B2

大晦日の夕日に感謝する

 Tさん(71歳)は以前、南蔵院というお寺を訪ねたとき、住職の林覚乗師の「夕日」という書に出会いました。「正月に初日の出を拝む人は多いが、大晦日の夕日を拝む人は少ない。毎年大晦日の夕日を眺め、お天道様、今年一年ありがとうございました、と感謝できる人こそが豊かな人生を送ることができるのではないか」というものです。

 その年の大晦日からこれを実践するようになったTさんは、こう語ります。「初日の祈りは、ややもすると『今年一年がよい年であるように』という要求心が起こりやすいものですが、一年最後の夕日を拝むのは、一年の出来事に対して、ただ『ありがとうございました』の一念だけなのです」と。

 一年が過ぎようとするこの時期、「恩」について考えてみることは、新しい年のためにも意義あることではないでしょうか。


『ニューモラル』412号
『366日』12月31日

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