宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の主人公ジョバンニは、祭りの晩に銀河鉄道に乗って、いろいろな出来事に出会います。
「ほんとうにみんなの幸せのためならば僕のからだなんか百ぺん灼(や)いてもかまわない。
けれどもほんとうのさいわいはいったい何だろう」と問うジョンバンニは、「みんなのために、ほんとうの幸せを探すぞ」と決意して、この美しいメルヘンは終わります。
自分一人の幸せを求めているうちは、本当の幸せは得られなくて、人の幸せのために生きる人、人の喜びを自分の喜びとする人、人の苦しみを自分の苦しみとする人こそ、心の底からわきあがる喜びにひた浸ることができるのではないでしょうか。