「人間は、ひたすら悩みと歓喜のために生まれてきたのだ。すぐれた人間は苦悩を突き抜けて歓喜を得る」と言ったのは、べートーベンです。
彼は、常に自分にそう言い聞かせ、53歳にしてその考えを音楽に移しかえたのが第九交響曲でした。
歓喜の歌で知られるこの曲(「おお友よ このような調べではなく、もっと心地よい もっと喜びに満ちた歌を歌おう」)は、最初の構想から実に31年の歳月をかけて完成されたものです。
今年も、年末の街に第九交響曲が流れています。
この曲を聴くすべての人々が、「苦しみから喜びの心」に変わることができれば、なんと素晴らしいことでしょう。