ボランティア活動をするときなど、「誰かのためにやってあげている」という意識を強く持つと、相手からの見返りを求めたり、相手が感謝してくれることを当然と思ったりしてしまいがちです。相手が感謝の気持ちを示さなければ、不満の気持ちさえ起こります。これでは、せっかくの善意がマイナスにはたらいていることになります。
見返りを求めず、誰かのために何かをしたときには、自分が思っている以上に温かい気持ちが心の中に生まれてくることでしょう。たとえ相手からはなんの見返りもなかったとしても、自分の心の中に生まれる喜びが、何よりの報酬になります。
英語で「サンキュー(Thank you)」と言われたとき、「イッツ・マイ・プレジャー(It’s my pleasure)と答える場合があります。「あなたのお役に立ててうれしい」といった意味でしょうが、これはたいへんすばらしい言葉ではないでしょうか。
『ニューモラル』357号,『366日』12月5日